こんにちは。田中です。
さて、前回は金融機関のリスケ対応に変化が現れているとのお話をしましたので、今日は私が過去にお手伝いさせて頂いたリスケの具体的事例をご紹介したいと思います。
従来の一般的なリスケ交渉は、リスケ期間中の1年間(又は半年間)は元本支払を猶予してもらい、この間利払いのみを実施し、リスケ期間終了後は元本、利息とも約定返済を再開するというスキームが一般的でした。
このスキームであれば、今後の経営改善計画書と債務返済計画書を準備して、リスケに至った経緯等を銀行担当者に説明できれば、まず交渉は可能と考えられていました。
しかし、100年に1度と言われている今日の不況期には、このようなその場しのぎの対応策では、中長期的な経営改善あるいはキャッシュ・フローの改善には繋がらないのが現状です。
最近、私がお手伝いさせて頂いたある中小企業では、プロパー融資8億円、保証協会付融資2億円(借入総額約10億円)に対して、当面1年間は利払いのみを実施し、その後9年間で元本・利息を分割返済していくプランでした。
しかもこの元本返済額は前年度の営業キャッシュ・フローに連動する仕組みで、前年度中にコミットした金額の返済原資を確保できない場合には再度返済額を交渉(減額)できる内容となっています。
もちろん返済額を減額するのですからそれ相応の経営努力と理由付けが必要なことは当然です。
当初は難色を示していた金融機関も交渉を重ねるごとに、経営改善計画書に示した数値の裏付けと債務返済計画の実現可能性を説明するうちに、全ての金融機関が上述のリスケ交渉に応じてくれたのです。
同時にリスケ交渉の際には、参考資料として事前に同社の破産配当率を試算し、「仮にリスケ交渉に応じてくれず破綻した場合には、これだけの配当額になります」と説明を添えました。
これによって、金融機関がこのスキームに乗ることが自行にとって経済的メリットと合理性があるのか数値で立証したのです。
企業の状況や金融機関の事情等もあるので、全ての金融機関がこのスキームに賛同してもらえるとは思いませんが、少なくとも金融機関のリスケに対する考え方に変化が現れているのは事実です。
リスケ交渉の際には、金融機関の顔色を伺って、ハードルの低い計画を作成し交渉を進めるのではなく、専門家の支援を得ながら会社の実態を正しく把握した上で、実現可能性の高い経営改善計画書と債務返済計画を立案し、どの時点でキャッシュ・フローが安定するのか良く見極めた上で、中長期的な戦略を持って交渉に臨むことをお勧めします。
リスケ交渉は企業再生の第一歩です。
是非、会社と経営ご自身の再生のためにも、妥協することなく強気と謙虚な姿勢でリスケ交渉に臨んで下さい。
皆さんのご健闘を心よりお祈りしています。
ロングリーチコンサルティング株式会社
田中伸治
企業再生のことならLRC